経営情報コーナー

■ 経営情報コーナー

1 経営の動向等

 生衛業は、私たちの日常生活に極めて密接な関係をもつ営業体です。
 消費者(利用者)の意識は時代とともに変化する。その変化の動向は、地域の特性はあるが、同じ生衛業でも業種によって異なっています。
 健全で安定した経営を行っていくためには、経営の近代化・合理化とともに、消費者(利用者)の意識動向に関心を払って営業することが肝要です。
 生衛業に関して消費者(利用者)意識の変化と経営動向といった視点からの情報をお知らせします。

業  種  経営の動向等 備 考
興業場      シネコンの進出で、全スクリーンの約半分を占めるに至り、単独館の閉館が相次ぎ、業界に大きな影響が生じた。
 また、デジタル技術の発達は、利用者の要望の変化に的確に対応できる施設づくりが将来的課題になっている。
   
 他の娯楽産業との競合に生き残るため、映画興行界は利用者が望む映画を快適な環境で鑑賞できるような魅力的施設作りを進めるとともに、飲食等付随的なサービスの提供等、経営改善に努めなければならない。単独館は利用者の要望を調査し、固定客を確保するなど、自発性を発揮し、魅力を増すことが大切である。

  衛生管理には、従業者への衛生教育を徹底することが必要である。また、廃棄物を少なくする努力とともに、環境の保全に努める努力が必要である。高齢社会に対応するために、高齢者、障碍者でも気軽に映画鑑賞できるよう、スロープの設置、リフト、車椅子用の鑑賞スペース、トイレの改造等のバリアフリー化、割引券等の特典を講じる努力をする。そして、地域におけるまちづくりに積極的に参加し、地域と共生することを大切にしなくてはならない。
 単独館は特に地域性を大切にし、家族客、中高年齢客、女性客等の要望にあった映画の選択、固定客を確保するための会員権割引や、商店街飲食店と連携しての割引制度を講ずる等、地域の実情にあった販売促進策を検討する必要がある。
四   地域の他業種と連携した広告、利用者のアンケート箱の設置、ホームページや組合が設置したハローダイヤル等を活用した情報提供が大切である。関連書籍、ビデオソフト等の販売や喫茶・飲食コーナーの充実等、多角的経営も検討の必要がある。情報化の推進で情報推進技術を利用した利用客の予約や会計管理、地元ケーブルテレビを利用した広告等を進める。
旅館     温泉・名所旧跡など観光資源とその有効活用が旅館の競争力を決定する大きな要素になりつつある。自社の立地している観光資源の取り組みによって、その地域・施設ならではの付加価値・満足度の向上を図るなど、観光資源の活用によって差別化を図り、競争力を高めることが必要である。地域が一体となって観光資源を活用し、それにあわせた設備・サービスによって、その地域を訪れる観光客のニーズを充足できるかが重要である。   
 旅館業は、建物の償却に長時間を要する産業であるが、この間に自社がターゲットとする消費者のニーズと設備に差異が生ずる可能性がある。将来のニーズを的確に予測することはほとんど不可能なことであるが、老朽化に対応するだけでなく、変化していくニーズを積極的に取り込むための設備投資が不可欠である。
 旅館業における宿泊客の主流は、家族等を主体とする少人数グループになりつつある。そのため、観光ホテル・旅館の1部屋当たりの宿泊人数が減少しており、客室稼働率は低下し、収益の圧迫要因となっている。従って、集客をアップするためには、多様なニーズに対応できるサービスメニューの充実と顧客データの管理活用、情報発信やITの活用が求められる。
公衆浴場     自家風呂の普及に伴う入浴者数の減少等による経営の悪化や後継者難による廃業、その有利な立地を利用した他の事業への転換等により、公衆浴場は年々減っており、浴室を有しない世帯への入浴機会を確保することが課題になっている。(総務省「平成20年度」住宅・土地統計調査によると、住宅の浴室保有率は95.5%)   
 駐車場を有すレジャー型の浴場が郊外に出現し、入浴を楽しむ傾向は依然健在であるが、経営者の高齢化、後継者がいないなど事業継承が困難になっている。
 高齢社会を迎え、高齢者や障害者が利用しやすいように、公衆浴場に一定の改造を加えた上で、その公衆浴場を利用して入浴介助等を伴う入浴事業を実施する福祉入浴援助事業が平成10年4月より固定資産税の軽減措置の対象とされた。
理容所     理容所数は昭和50年から平成12年度までは14万~14万5千施設を維持していたが、平成12年度には減少し始め、平成16年度に14万施設を下回った以降は減少率も大きい。個人経営がほとんどの理容業において経営者の高齢化が進む中、免許取得者数も減少しており、後継者問題も深刻な状況にある。「生活衛生関係営業経営実態調査」で多くの経営者が問題点としてあげている「客数・客単価の減少」や「競合店の進出」という回答からも、若者のヘアスタイルの多様化による理容店離れや新たな低価格チェーン店の出現等で、厳しい経営環境が続いていることがわかる。このような状況で、同調査で今後の経営方針を「特になし」、「廃業」と回答する経営者も多い。   
 一方、優れたカット技術を生かして、若者を対象とした「就活ヘア」やクールビズに合わせたヘアスタイルを提案したり、顔そりの技術で女性向けメニューとしてウェディング・シェービングを取り入れたり、カウンセリング~洗髪~毛髪・頭皮トリートメントの頭皮ケア・コースを導入するなど、理容室ならではのメニューをアピールすることで集客している店もある。

 理容業は固定客が非常に多い業界である。その高い固定客比率を維持しつつ、個人経営である利点を生かし、立地条件や周辺住民の顧客層に合わせたメニュー等で同業他店との差別化を図るなど、新たな顧客を呼び込む戦略を工夫することが重要である。
美容所    美容所は、パーマネント・ウェーブ、結髪、化粧等の美容サービスを提供する事業所として、施設数は増加傾向にある。5~74歳までの男女を美容所の利用対象人口とすると、平成22年度末施設数は480人に1施設の割合で営業されていることになり、「生活衛生関係営業経営実態調査」で経営者の多くが経営上の問題点を「客数の減少」と答えるなど、厳しい生存競争が行われていることがわかる。   
 一方、近年の高齢化の進展等により、疾病や身体の障害等の理由により美容所に来ることができない人のために、介護老人施設など美容所以外の場所に美容師が出向いて行う出張美容に対する社会的ニーズが高まっている。
 専門サービスの提供者としては、外面上の美容技術だけでなく、精神的な満足感を利用者に提供していかねばならない。様々な利用客に対してどの様な「心の満足」を与えられるのかは、直接顧客に接している美容師一人ひとりの個性にかかっているが、経営の方針としてどの様なアピールができるかも大切な課題である。
 また、提供メニューの多様化に伴い、さらなる技術の向上、薬品等の安全性や衛生上の危険防止が重要になっており、利用者に対して安全で良質なサービスを提供することが大切である。
クリーニング      今日のクリーニング市場は大きく分けて、旅館・ホテル等のリネン類や事業所のユニフォーム類などの産業用クリーニングの「リネンサプライ」と、一般家庭用の衣類等を扱う、「家庭向けクリーニング」があるが、一世帯当たりの年間クリーニング代は年々減少が続き、家庭向けクリーニングへの支出はピーク時に比べて大幅に落ち込んでいる。
 家庭向けクリーニングの需要減少の要因は、家庭での洗濯の増加、衣類の低価格化、節約志向や、衣替えの習慣の希薄化など様々であるが、大手企業との取次チェーン店の展開による競争激化、燃料・材料の高騰など、今後も市場は縮小傾向が続くとみられる。
  
  一方、高齢者世帯、単身世帯や女性の社会進出等、需要増加の見通しはあり、クリーニング後の衣類の保管サービスや持ち運べない大きな物、来店できない人や定期的に訪問してもらいたい人のための外交サービスや宅配サービスなど、「衣類の総合サ―ビス業」として、客のニーズに合わせてサ-ビスを提供することで新規顧客の開拓にもつなげることができる。
  また、近年の新たな感染症等の発生状況を踏まえ、クリーニング業においても公衆衛生の見地から感染症対策の充実を図ることが重要であり、また、石油系溶剤等の残留による化学やけど防止のため、ドライチェッカーの導入や、従業者の安全衛生の確保、水質汚濁、大気汚染、土壌汚染等の公害の発生防止及び産業廃棄物の適正な処理のために公害防止関係法令等を十分理解し遵守するとともに、設備改善などの必用な措置を講じ、環境の保全に積極的に努めることが重要である。
飲食店    飲食店に関係したニュースが多く、平成13年9月のBSE(牛海綿状脳症)から始まって、食品安全について考えさせられるような事件が続いている。今まで、生産者や小売店、飲食店を無条件で信じて消費活動を行っていた消費者が立ち止り、自分たちの口にいるものがどこで作られ、どのように運ばれて、何にどう加工されているかを気にしだした。
 また、「食品安全基本法」、「牛の個体識別のための情報の管理及び伝達に関する特別措置法」いわゆる牛肉トレーサビリティ法などが制定され、食品の安全確保に向けたさまざまな取り組みが行われている。福祉、環境関係については、「食品循環資源の再生利用等の促進に関する法律(食品リサイクル法)」により、飲食店から出る食品廃棄物等については減量化と食品循環資源の再利用が義務付けられ、ごみの減量化、再利用等が求められている。
  
 消費者は年齢、性別、家族構成を問わず外食を楽しむようになり、外食に求めるものも多様化している。各年代で共通している基準は、「手ごろな値段」、「好きな料理がある」、「雰囲気がよい」となっている。さらに、高齢者層は、「食材を吟味した本物志向」、「食材の産地情報」を求めている。若い年齢層では、「サービス」が良くて、「いろいろな料理」のある店が好まれている。
 サービス面では、従業員の接客態度の向上、店舗及びスタッフの衛生面の向上、メニューの食材の原産地表示等が求められている。
食肉販売    消費者による食肉の消費量がほぼ成熟点に達している状態と大型店の進出により、食肉販売業における競争は激しくなっている。   
 一方、消費者の関心は価格や利便性はもちろん、食肉そのものの安全性、店内の衛生状態にまで及んでいる。
 したがって、食肉販売店は、商品・人・店全体の「環境・安全対策」、営業時間の延長等「営業政策」、消費者が納得する「価格政策」、商品の値打ちをアピールするための「商品化政策」といった複数の対応策見直し、店単位にこだわらない地域・団体・業界単位での取り組みを考える時期にきている。
氷雪販売    営業施設数は、一般家庭への電気冷蔵庫の普及や飲食店営業施設等への業務用自動製氷機等の導入により、昭和45年7938施設であったが、以降減少傾向が続き平成17年度では、半分以下の2762施設になっており、今後も引き続き減少傾向が続くと思われる。   
 経営形態は兼業が7割以上であるが、客数(注文)の減少に加えて、燃料費の上昇やコンビニでの販売等により氷雪販売業を取り巻く現状は厳しいものになっている。
 今後は、新しい利用・販売の方法の検討、新技術の開発等、新しい需要の開拓がますます必要になっている。近年の「おいしい水」にこだわる傾向により、良質な氷を求める消費者には「純氷」や上手な利用方法をPRし広告・宣伝をする必要がある。また、氷彫刻や氷アートなどはイベントや飲食店、百貨店でも需要があるのではないか。販売方法として、ホームページを開設し、気軽に購入できるようにするのも方法の一つである。

※ 出典:経営の動向等(2012年版生活衛生営業ハンドブック:(財)全国生活衛生営業指導センター)

 

2 経営に関係する情報・資料

   生衛業に関係する、様々な法律や規則の改正・お知らせ、また有用な調査結果などを、タイムリーに把握しておくことは、経営にとって大切なことです。
 生衛センターでは、タイムリーに的確な情報等を経営者や消費者(利用者)の皆様にお知らせするため情報機関紙「生衛ニュース大分」を発行しています。
「生衛ニュース大分」(PDF)は、以下からご覧いただけます。
 また、「データベース/ライブラリー」でも、様々な情報が得られます。「データベース」は、(財)全国生活衛生営業指導センター「データベース」にリンクしています。
 また、「ライブラリー」では、生衛業に関する調査結果や経営事例などをご覧になることができます。
 「ココ」からリンクしていますので合わせてご利用下さい。

生衛ニュース大分各号  発行時期
◇  平成24年度 準備第1号(PDF)  平成24年11月1日発行 
◇  平成24年度 準備第2号(PDF)  平成24年12月3日発行 
◇  平成24年度 準備第3号(PDF)  平成25年1月1日発行 
◇  平成24年度 準備第4号(PDF)  平成25年2月1日発行 
◇  平成24年度 準備第5号(PDF)  平成25年3月1日発行 
◇  平成25年度 第1号(PDF)  平成25年4月1日発行 
◇  平成25年度 第2号(PDF)  平成25年7月1日発行(new) 
◇  平成25年度 第3号(PDF)  平成25年10月1日発行予定 
◇  平成25年度 第4号(PDF)  平成26年1月1日発行予定 





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